一般社団法人富山県臨床検査技師会

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開催・報告・お知らせ

第67回日本臨床細胞学会総会(春期大会)で受賞講演を経験して

2026.07.13

富山大学附属病院 病理部 小原勇貴

このたび、2024年度日本臨床細胞学会最優秀論文賞という栄誉ある賞を賜り、心より光栄に存じます。指導していただいた先生方や賞の選考に携わった先生方、これまでに支えてくださった多くの皆様に、改めて深く御礼申し上げます。2026年6月13日、14日にパシフィコ横浜ノースで開催された、第67回日本臨床細胞学会春期大会で受賞講演の機会をいただきました。本講演では、超音波内視鏡下穿刺吸引法(endoscopic ultrasound-guided fine-needle aspiration: EUS-FNA)による膵癌診断における標本作製法と細胞診の役割について発表して参りましたので、その報告をさせていただきます。

講演では、今回の受賞論文内容である、EUS-FNA施行時のオンサイト迅速細胞診(rapid on-site cytologic evaluation: ROSE)におけるメンブレンフィルター法の有用性にについて報告いたしました。メンブレンフィルター法は簡便な集細胞法であり、EUS-FNAのROSEにメンブレンフィルター法を用いることで、通常行われる圧挫法に比べて、オンサイトで十分量の細胞成分が採取されているのか否かの判断が容易になるだけではなく、その後の組織学的検索にも耐えうる組織標本を作製できることを報告させていただきました。

また富山大学附属病院でROSEの代替手技として実施されているmacroscopic on-site evaluation: MOSE法による標本作製法についても紹介しました。MOSEは採取検体を肉眼的に観察し、白色検体を組織診断に、液状検体や赤色検体を細胞診断に用いる手法です。MOSE法による膵癌の診断成績を示すとともに、細胞診と組織診の結果が乖離した症例から細胞診と組織診にはそれぞれ利点があり、併用することにより膵癌の正診に寄与できることを報告させていただきました。

今回、このような栄誉ある賞を頂くことができ、大変光栄に感じていますが、それと同じぐらい嬉しく感じたことは、職場の同僚たちが発表を見に横浜まで足を運んでくれたことです。また今回の受賞を知り、大学時代の同期や前職場の同僚も講演を聴きに来てくれました。受賞そのものはもちろん大きな喜びでしたが、それ以上にともに喜んでくれる仲間がいることや離れていても応援し続けてくれている仲間の存在の大きさを実感しました。日々研究に打ち込むことができるのも、このような周りの方々の支えがあってこそだと感じております。秋の日本臨床細胞学会では、シンポジウムの機会を与えていただいております。恵まれた環境への感謝を忘れずに、また新しい目標に向かって一歩ずつ努力を重ねていきたいと思います。

第67回日本臨床細胞学会総会(春期大会)で受賞講演を経験して