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開催・報告・お知らせ
第67回日本臨床細胞学会総会(春期大会)に参加して
2026.07.01
市立砺波総合病院 福田弘幸
第67回日本臨床細胞学会総会(春期大会)に参加し、細胞診断学および病理診断学に関する最新の知見と今後の展望について学ぶ機会を得ました。本学会は「細胞診断学の未来創生」をテーマとして開催され、細胞診断学を取り巻く環境の変化、新たな技術の導入、精度管理、人材育成、がんゲノム医療への対応など、多岐にわたる内容が取り上げられていました。近年、医療の高度化に伴い、病理・細胞診部門に求められる役割は拡大しており、従来の形態学的診断に加えて、分子病理学的検査や個別化医療を支える基盤としての重要性が高まっていることを改めて認識しました。
特に印象的であったのは、細胞診と人工知能(AI)の融合に関する講演でした。病理診断および細胞診断の分野ではデジタル化が急速に進展しており、AIを活用した画像解析技術の開発も進められていました。講演では、細胞診標本のスクリーニング支援や異型細胞検出支援などの実例が紹介され、AIが診断者を補助することで、診断精度の向上や業務効率化に寄与する可能性が示されていました。一方で、AIの性能評価や精度保証、責任の所在、教育体制の整備などの課題も示されており、人とAIが協働しながら診断を行う体制づくりの重要性を学びました。
また、「病理部門が関与するPrecision Medicine」に関するシンポジウムでは、がんゲノム医療時代における病理部門の役割について理解を深めました。患者ごとの遺伝子異常や分子生物学的特徴に基づいて最適な治療を選択する個別化医療においては、適切な検体の採取、処理、保存に加え、遺伝子解析に適した検体品質の確保が重要です。講演では、コンパニオン診断や包括的がんゲノムプロファイリング検査の実施において、病理診断が治療選択の出発点であることが強調されていました。十分な腫瘍細胞量の確保や適切な固定条件が解析結果に大きく影響するため、病理部門の日常業務の重要性を改めて実感しました。
今回の学会参加を通じて、病理・細胞診部門には、診断技術の向上に加え、AI活用やゲノム医療への対応を見据えた高い品質管理意識と多職種連携が一層求められていることを感じました。

