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開催・報告・お知らせ
令和6年度精度管理調査報告会に参加して
2024.11.26
令和6年度精度管理調査報告会に参加して
富山赤十字病院 長井静香
11月24日に臨床検査精度管理調査報告会が富山県医師会舘にて開催されました。多くの臨床検査技師や関係者が集まりましたことに感謝申し上げます。特に10部門の各精度管理責任者並びに座長の皆さま、コメンテーターの先生方には感謝申し上げます。
特別講演では、「臨床検査と臨床推論の進め方 〜検査値から病態把握は可能か〜」と題し大阪大学大学院医学系研究科変革的感染制御システム開発学寄附講座講師 山本剛 先生より御講演いただきました。
我々臨床検査技師が検査値を見て、臨床推論を進めることによって、診断・治療へどのように貢献していけるのかという大変興味深い内容の講演でした。
「検査値を繋げて推論を広げ、診断へ導く」という言葉がとても印象的で、担当分野の検査だけを淡々とこなしていくのではなく、様々な検査値を見て、臨床推論を進め、隠れた疾患の発見、診断へ貢献していきたいと感じました。
最終診断を決めたきっかけの8割が病歴であり、臨床検査は1割。病歴と身体所見で診断ができないものに対して臨床検査が役に立つとのことでした。その点について、我々臨床検査技師も患者背景を見て検査を進めることでより精度の高い検査結果を出すことができると解説されました。また、細菌性肺炎や感染性心内膜炎、MDSなどの症例をあげられ、臨床推論を進めていく上で注目すべき点をわかりやすく解説していただき、今後のルーティン業務へ活かしていきたいと思いました。
我々臨床検査技師が検査のスペシャリストとしての自覚・責任を持ち、医師を始め他職種との連携を深め、医療の質向上に貢献していくために何ができるか、そのためには何をすれば良いかを考えさせられるとても貴重な講演でした。
【講演会での質疑応答】
Q1心エコー検査を行う中で感染性心内膜炎(IE)を疑う場合、どこに着目すればよいのか、検査データ ーのどこに着目すればよいのか?
A1予習の段階で必ず患者さんのサマリーをみること、そしてエコー検査を実施する前に血液培養検査のデーターを見ることが重要である。菌種によっては弁の損傷(破壊)の様子や重症度も異なるのでそれが参考になることもある。
Q2推論するコツは?
A2例えば発熱に関してだと、熱型と脈拍は連動している。そこに食い違いがあると、薬剤による発熱と考えられる。喀痰の検査がでていたら胸部写真をみるなどカルテをみて患者の意向を知ること、医師と共感することが大切である。